木曜日, 8月 02, 2007

終わりは始まり?

今日、アッテンボローが出社直後(遅刻)所長に呼び出され、昨日の振る舞いについて注意が入った。それは、熱があるのになぜ言わなかったのかとか、もっとちゃんと言ってくれないと分からないとか、そういう話のように聞こえた。俺はその時、朝の研修を受けている最中で、アッテンボローと所長のやり取りはうっすらとしか耳に入ってこなかったのだが、彼が「バイトをしないとやっていけないような給料なので、辞めさせてもらいます」のような発言をしたのは覚えている。と同時に、この前、俺がアッテンボローに助言をしたバイトの話やら辞めても構わないんじゃないかという話が浮かんできたが、一応彼もそこら辺の理性は保っているらしく、俺の話は出さなかったと思われるが、実際のところは定かではない。

というわけで、今日、彼は辞めた。

その後、朝の朝礼になり、彼が昨日付けでやめたことにするという処理をすると言うことと、彼に対しては2ヶ月目にもなるということもあり、「このままではいけませんよ」といった「イエローカード」を出すつもりでいたという話になった。なんだか全てが自分に対して言われているようであまりいい気はしなかった。いや、実際そうなのかもしれない。疑心暗鬼。

だがこれだけは言える。所長が言っていた言葉の中に「やる気のない奴を組織の中に入れておくと組織が駄目になる」というものがあった。これは俺と考えが通じるところがある。俺自身もそう思っているからだ。なぜ彼に、「彼が見たい彼自身の姿」を見せたのか。つまりはなぜ、彼に「他にやりたいことがあるなら、自分の進みたい道に行けばいいんじゃね?」のような発言をしたか。それにはこの考えが根底にあったことは言っておくべきだろう。彼はマシーナリー(machinery)かメカニック(mechanic)になりたいようで、特に航空機の整備をやりたいと話していたのを覚えている。そういうわけで、所長との会話でも「9月に自衛隊の試験があるのでそれを受ける」ということも話していたようである。だが、そんな奴が会計事務所に居たって、気持ちはいつも上の空。「本気」になれないまま何年も時を過ごすのはかわいそうだと思い、あの時は「若いんだしいいんじゃね?」のように言った。彼の気持ちを耳にしていない他の人が「自衛隊に入りたいので辞めました」と聞いたら失笑ものだが、俺は「あ、やはり自衛隊を選んだか」と思ったと同時に、彼に向いているとも思った。自衛隊なら陸海空、どこに行っても航空機の整備は出来る(陸なら戦闘ヘリ、海なら哨戒ヘリ、空なら戦闘機、輸送機)。特に彼のようなタイプは良く自衛隊にいる風だ(元自衛隊に数名知人がいるので、なんとなく分かる)。だが、彼に今回のような結論になるよう仕向けたのも「やる気のない奴は足手まとい」という思想があってのこと。それに、若い彼にはこれが最良の選択であっただろう。

よって、彼は自衛隊を目指すことになった。

午前中のうちに2度3度と書類やら講習のテキストやらを返しに来たようだが、これで彼の姿を見ることはないのだと思うと、少し残念に思った。メールアドレスの交換でもしておけばよかったと。その後の彼の行き着く先がどうなって、そこでどんなことになるのか知りたかったからだ。が、今はもうそれも望めはすまい…。ま、そんなことよりも当面は、自分のことだけを考えることにしよう。2ヶ月先行していた彼の抜けた穴を埋めるのに、所長はそんなに時間を与えてくれないだろうから。彼が2ヶ月をかけてしてきたことを1ヶ月未満でやれというのが俺に課された当面の「仕事」なんだろう。

自分が宙ぶらりんにならないように、これからは一層、気を引き締める。でも、もしかすると今頃辞めさせる算段をしているかもしれないのがつらいところだな…。

そういえば。今日は保険に加入させられた。名義は所長。つまり「所長の俺が金を払って保険かけてやるから、受取人は所長の俺で、お前は生命保険に入れ」という奴だ。会社に命を取られたような気分になり、カチンときた。前日に「判子を持って来い」と言われた後に、所長がわざわざ「ジバク、ジバク(自縛のこと?)。これで義理を果たせた」なんて言っていたからピンときた。

で、今日が判子を捺す当日。

午後一番に来た保険屋さん(D)は開口一番「所長様からお話は伺っているとは思いますが」などとほざくので、これまたカチンと来て「全然説明は受けてないんですけどね。今日保険に入るんですか?」とわざわざお聞きした。保険屋は「えっとー、まずはご説明をさせていただいて、それで加入なさるか拒否なさるかはご自由なので」などと滑らかに舌を動かすので「今日、保険に加入するなどという説明もない状態で今現在いるが、ここまで来て、加入拒否できるわけないですよね」と申し上げたら、保険屋は返答に窮しておられた。まだまだ未熟な社員のようである。

結局、所長受け取りの生命保険に判子を捺した。

これも「お前は働かせてやる」という所長からの意思表示だと思い、不快ながらも甘受することにした。本当ならばアッテンボローも同時に加入するはずだったのだが、退職という状況になってしまったので、そちらはなくなった。しかし良く考えると、彼は2ヶ月弱働いてようやく今日、保険に加入するはずであったが、俺は入社して2週間で加入させてもらえたところを勘案するに、所長にとって俺はそれなりに合格点には達しているのかもしれない、と少々安堵した。

今日の一言。

「早寝早起きは1席の得」

山手線の池袋始発の電車に乗ると間に合うことが判明した。明日からはこれに座って乗るために今日よりも早く起きることにする。これがかなうと、通勤電車は全て座れる事になる。

2 件のコメント:

linko さんのコメント...

あれれれれれー。アッテンくん・・・。
予想はしていたものの、急転回ですね。
今後、アッテンボローの名がブログに現れなくなると思うと非常に残念です。
願わくば、今後もたまにご飯を食べに行くくらいの関係でいてほしかったなあ。
そして彼の今後を知りたかった・・。

今日はアッテンくんの夢でも見そうです。

たぬき さんのコメント...

せっかく文章も調子が上がってきたところでまさかの結末。メアドを聞いていなかったのは本当に残念。ま、自衛隊に入ったとしたらしばらくは連絡も取れないとは思いますけどねー。

そのうち彼の履歴書でもちら見して電話でもしてみます。