人傑とは言わずとも、会社にとって人を得るのは大変なはず。
自分が担当するお客様も、たいていは人を得るのに苦労しているのが現状。
私の後輩の一人が辞職の意があることをほのめかした。正直、彼がいなくなるとこちらの仕事が増えて困るのだが、既に大学院を卒業し科目も1つ合格している彼にとっては(つまり現状で合格必須科目数5科目のうち3科目を取っていることになる)、今の残業が多い事務所の体制は試験勉強する環境とは真逆にあるわけで、そう考えるのも無理からぬことではある。
うちの事務所は残業が多い。一番上の人は残業時間が多い方が美徳と感じているくらいの人なので話にならないが、その人が閑散期で残業時間にして100時間は下らないときいている。繁忙期は当然200時間オーバーである。私も担当数がそれなりにあるのでどうしても残業数が増えてしまうのだが、そんな中でもセーブは怠らず努力してそれで60時間は下らないくらいである(今月はおそらく70~80時間)。
これで残業手当がきっちり法定でもらえれば文句はないのだが、完全固定の月3万円ときている。これでは経営者は人件費についてコスト意識がなくなって残業を奨励するのも当然の結果である。
要は人を大事にしない経営体制なのだ。
そんなことは働き始めてすぐにわかったことだが、いかんせんこっちも生活がある。給与の金額に不満がないと言えば嘘になるが、まぁ、それはこの業界自体が薄給で働く人間が多いことを鑑みて、とりあえずは良しとしよう。問題は拘束時間だ。試験勉強なんかする時間もない、こんな環境下では家庭にも負担をかけてもうどうしようもない状況である。これがまだ高度経済成長期の日本であれば、何時間拘束されようともそれに見合うだけの給与が増額されていったはずで納得もいくところだが、衰退期に入った日本経済下ではどんなに時間をささげてもこれ以上給与が劇的に上がる見込みは立たない。特に中小零細においてはそうだろう。要は拘束時間に全く見合ってないのだ。
そして究極的なことは、うちの所長は税理士試験に受かった人間に対して2年間以上の実務経験があるという文書への署名を拒否続けているということだ…。つまり、このままでは仮に税理士試験に受かっても税理士登録できないというわけだ。
このことが今回後輩がやめる動機にもなっている。
とりあえず働いて3年たったわけだし。後輩もやめることだし。そろそろ次のことを考える時期に来たんだなぁと、そう思って今日は寝ます。