火曜日, 10月 24, 2006

常磐線友部駅のうどん屋

 俺はその日、無性に腹がへっていた。いや、昼を過ぎて腹がへっていたのは当然というべきだろう。あまりに腹がへりすぎて頭が変になり、なぜか立ち寄った友部駅で食事を住ますことにした。

 駅を出るとロータリーに何軒かの定食屋が目に入ったが、入り口のドアがすりガラスで中が見えない。中が見えない初めての店ほど入りにくいものはない。落胆しつつ左手方向を見ると、立ち食いうどん屋があった。「もうここにしよう」。そう決めて注文したのは月見うどん。

 食券を買いおばちゃんに「うどんで」といいながら手渡す。おばちゃんが冷蔵庫からうどんを取り出しお湯の中にとぷんと入れる。俺は「今日は寒いですね」などとどうでもいい会話をしながらうどんが出来るを待つ。おばちゃんが手際よく卵をどんぶりに割りいれるときに「この卵は活きがいいのよ。ほらこんなに黄身がこんもりしてるでしょ」などといいながらちゃっちゃと茹で上がったうどんを入れて汁を注ぎ俺の前に出してきた。
 
 うどんのコシはある。結構強め。汁は北関東らしいしょっぱめ。きわめてオーソドックス。歯に強いコシを感じながら黙々と食う…。

 実は前にここで天ぷらうどんを食ったことがあったのだが、その天ぷらがえらくまずく、それ以来たぬきうどんや月見うどんしか注文したことがない。毎日おばちゃんは変わるのに味は全く変わらない。

 次に食べるのはいつだろうか。いや、もう食べることもないのだろう。ある種の感慨深い感覚を覚えつつ器を戻した。 Posted by Picasa

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